ドイツといえば、ビールやソーセージ、クリスマスマーケットなどが有名ですが、ドイツには魅力的な建築やインテリアもたくさんあります。
ドイツの家はどのような特徴があるのでしょうか？
この記事では、ドイツの家の歴史やデザイン、間取りなどについて紹介します。
ドイツの家の歴史と特徴
ドイツには様々な地域や時代によって異なる建築様式がありますが、代表的なものとして「木組みの家」が挙げられます。木組みの家とは、木材を組み合わせて骨組みを作り、その間に漆喰やレンガなどを埋め込んだ構造の家です。中世から近世にかけてヨーロッパ各地で広く建てられましたが、特にドイツでは多くの木組みの家が現存しています。
木組みの家は、地面から屋根まで垂直に柱が通っているものや、上の階が外側にせり出しているもの、窓枠や壁に装飾が施されたものなど、年代や地域によって様々なバリエーションがあります。木組み柱と白い漆喰のコントラストや、屋根に付けられた小さな窓（ルーカーン）などが特徴的で、可愛らしい外観をしています。
木組みの家は一軒家だけでなく、アパートや市役所、博物館、レストランなど様々な用途に使われています。ドイツでは「ドイツ木組みの家街道」という観光ルートがあり、100以上の木組みの家の集落を巡ることができます。ドイツ最古の木組みの家は1350年頃に建てられたもので、世界遺産に登録されているクヴェトリンブルクという街にあります。
ドイツ流のインテリアデザインと間取り
ドイツでは近代以降、芸術や建築分野で先駆的な役割を果たしてきました。インダストリアルデザインやバウハウスデザインなどは世界的に影響を与えたものです。ドイツ流のインテリアデザインは、機能性と美しさを兼ね備えたものが多く、シンプルで洗練された印象を受けます。
ドイツ人は自分で良い製品を買ってきて自分好みに組み立てるという精神文化を持っています。そのため、「典型的なドイツ人像」というものはあまり存在せず、個性や好みによって様々なインテリアスタイルがあります。最近では北欧風やミニマリスト風などの流行もありますが、ドイツらしいインテリアデザインというものは、ある種ドイツの気候条件や家屋、文化の在り方に紐づいているとも言えます。
ドイツの家の間取りは、日本と比べて広く、一戸建ての平均面積は110㎡です。都市部ではアパートでの生活が一般的ですが、田舎部では庭付きの一戸建てが多く見られます。ドイツ人は緑に触れることを好み、自宅に庭がない場合でも郊外に借り庭を持っている人もいます。
ドイツの家では、リビングルームが重要な役割を果たします。ドイツ人は家族や友人とのコミュニケーションを大切にし、リビングで映画を見たり、サッカーを見たり、飲み物を楽しんだりします。そのため、リビングは快適でオシャレな空間にすることが多く、ソファーやテーブルなどにこだわりを持ちます。色や素材も様々で、高級感や清潔感を演出するものから、暖かみや柔らかさを感じさせるものまであります。床材はオーク柄などの木質系が人気です。
ドイツでは子供部屋という文化も古くからあります。子供の知的で健全な発育のために、安全でありながら知的冒険を楽しめる空間として子供部屋が発展しました。塗り絵や切り絵、積み木遊びなど、子供の創造力を掻き立てる遊びができる玩具と、叩いても濡れても大丈夫な頑強な床材や壁材は必須です。子供部屋のレイアウトやデザインも重要で、真なるものや美なるものに多く触れられるよう工夫する親も多いです。
ドイツの家に住むときに知っておきたいこと
ドイツの家に住むときには、いくつか注意点やルールがあります。以下に主なものを挙げます。
郵送物の再配達がない
ドイツでは郵送物の再配達というシステムがありません。不在時には隣人や近所のお店に預けられることが多いです。その場合は不在通知票が入っていることが多いので、それを持って受け取りに行きましょう。
ゴミ分別が厳しい
ドイツではゴミ分別が非常に厳しく、紙類・プラスチック類・金属類・有害物質・生ごみ・その他ごみなどに分けて捨てる必要があります。また、ガラス瓶やペットボトルなどは専用の回収箱に入れるか、自動販売機で返却することになります。ゴミ分別をしないと罰金を払うこともあるので注意しましょう。
静粛時間を守る
ドイツでは静粛時間というものがあり、日曜日や祝日、平日の午後10時から翌朝6時までは騒音を出さないようにすることが求められます。掃除機や洗濯機などの家電製品や楽器の使用は禁止されています。また、階段や廊下で大声を出したり、ドアをバタンと閉めたりするのもマナー違反です。静粛時間を守らないと近所から苦情が来ることもあります。
暖房費が高い
ドイツでは冬は寒く、暖房費が高くなります。ドイツの家は断熱性が高いので、室内は暖かく保たれますが、窓を開けるとすぐに冷えてしまいます。そのため、窓を開けるときは短時間にしましょう。また、暖房器具は自分で温度調節ができるものが多いので、無駄に使わないようにしましょう。
家賃は前払い制
ドイツでは家賃は前払い制で、毎月の初めに支払うことになります。遅れて支払うと違約金を払わなければならないこともあります。また、家賃には光熱費や管理費などが含まれていることが多いですが、場合によっては別途支払う必要があることもあります。契約書をよく読んで確認しましょう。
まとめ
この記事では、ドイツの家の歴史や特徴、インテリアデザインや間取りなどについて紹介しました。
ドイツの家は、木組みの家などの伝統的な建築様式から、バウハウスなどの近代的なデザインまで、多彩な魅力を持っています。
ドイツ人は自分好みに家をカスタマイズすることが好きで、機能性と美しさを兼ね備えたインテリアを楽しんでいます。
また、リビングルームや子供部屋など、家族や友人とのコミュニケーションを大切にする空間もあります。
ドイツの家に住むときには、郵送物の再配達がないことや、ゴミ分別が厳しいこと、静粛時間を守ることなど、いくつかの注意点やルールがあることも忘れないでください。
ドイツの家は、その国の文化や歴史を反映したものです。
ドイツに住むときには、その家の背景や意味を知ることで、より深くドイツを理解することができるでしょう。
